ラインアップを知りたいのですが‥

9000には幾つかのボディタイプと多くのモデルの組み合わせによって、数多くのモデルバリエーションが存在します。
ここでは、日本仕様に的を絞って正規ディーラーカタログから抜粋した内容を年代別、モデル別ラインアップとしてまとめてみました。
注)年代別ラインアップ一覧の内、1987年と1988年モデルについては現在調査中です。


年代別モデル変遷

年代別モデル変遷
年代別モデル変遷


中古での購入を考えているのですが、注意点を教えて下さい。

中古車を買うにあたって気をつけなければいけない点についてですが、特に9000特有の注意点は見当たらないといって良いでしょう。
しかし、80年代中・後期設計の欧州車の中の一台として考えると、その年代の各メーカーの車両のウイークポイントの多くが当てはまります。
基本的には、メインテナンスの履歴がしっかりしている車両で、パワステ・オートマ・エアコンの3つの動作がしっかりしている車両であれば買った後に大きなトラブルに見舞われる可能性は低いのではないかと思います。
何より大事なことは最低限、エンジンを掛けてもらう、試乗させてもらうなどして実際に車に触れてみることだと思います。その上で、次のチェックポイントについて確認してみましょう。

○エンジンをかけてみて、エンジンルームから異常音(カタカタ、バタバタ等)がしないか?
○カムカバー、クランクケース付近からのエンジンオイル漏れがないか?
○ハンドルを切ったとき、異音(ウィーン、ギギギギ等)がしないか?
○エアコンが冷房・暖房とも十分に効くか?
○クルーズコントロールは動作するか?
○シートヒーターは効くか?
○パワーシートが動作するか?
○その他、車内のスイッチを全部動かしてみて、正常動作するか?
○ATのセレクタを適当に切り替えてみて大きなショックを感じないか?
○Dレンジでの停止状態からの加速時、1→2速へのシフト時のショックは大きくないか?また変速がスムーズに行なわれるか?
○過去の整備履歴、トラブル履歴は明確か?
○内張りが垂れていないか?
○パワステオイルの漏れはないか?
○ウォーターポンプ、パワステポンプをドライブするベルトが過度に劣化していないか?またベルトのテンショナーが過度に劣化していないか?
○冷却水の量は適量か、水温は適当か?

但し、このチェックポイントを完璧にクリアするコンディションの中古車はそう多くないかもしれません。とりあえず手に入れておいて、不具合を後でじっくりと修復して最終的にコンディションを整えていくというのも一つの考えかたですから、理想のクオリティにあまり拘りすぎる事の無いようにしたいものです。

エアコンは効きますか?

コンプレッサーを中心とするシステム全体が完調であれば、冷房は寒い位に、暖房は暑い位に効きます。CCシリーズやCSシリーズのハッチバック車の場合、室内空間が広いため後3面にスモークフィルムを貼ることで冷暖房の効率をさらに上げることが出来ると思います。
またエアコンのガスですが、1993年モデルから従来のR12に代わってR134aが用いられています。

この車のパワステはどうでしょうか?据え切りしても大丈夫ですか?

年式によって重い・軽いの差があるようで一概に良いとも悪いとも言えません。
また据え切りに関してはパワステポンプへ過度の圧力でオイルが流れることによってオイルホースからのオイル漏れの原因になる可能性が非常に高く、最悪パワステそのものの故障に繋がることもあるので止めておいた方が無難だと思います。

燃費はどれくらいですか?

正確なデータを取っていませんのでおおよその数値になりますが

街中 4〜6km/l
高速 8〜10km/l

1992年モデル 9000CS 2.3turbo-S オートマチックトランスミッション ハイオクガソリン での値です。
1993年以降のトリオニックが導入されたモデルだとこれより若干(1割程度?)数値が向上するようです。

車両の整備はどこにお願いしたら良いでしょうか?

中古で購入する場合に一番頭の痛い問題です。
理想的には、9000の整備のツボを的確についた整備を行なえる工場に依頼することなのですが、あったとしても地域的な問題や工場のキャパシティの問題等で受け入れてもらうことが難しかったりするのが現実です。
幸いにも整備性が著しく劣る車ではないので、部品の調達がスムーズに行なえるのであれば輸入車の整備を行なえる工場なら整備を依頼することにそう問題はないと思います。ただ大事なのは、ただ単に整備を依頼して整備が終ったら車を受け取るだけという態度で工場と付き合うのではなく、車の整備状況を自分でもしっかり把握したり、この先どんな整備が必要になりそうなのかを整備士と話し合うなど積極的な付き合いを行なうことなのではないでしょうか。
また、一時SAAB車の正規ディーラーだったヤナセですが、9000に関しては支店・営業所単位で扱いが統一されていないようで、ずっとヤナセで整備をしているという人がいるかと思えば整備を受け付けてもらえなかったという人もいます。
参考までに9000の整備の実績がある整備工場を幾つか掲載します。自分の9000が何らかのトラブルを抱えていてお困りの際など相談なさってみては如何でしょうか。
地区会社名住所電話番号
関東
A2ファクトリー川崎
神奈川県川崎市高津区坂戸3-16-23044-833-8828
関東
田澤自動車
埼玉県入間郡三芳町竹間沢東6-12049-258-5137
中部
A2ファクトリー甲府
山梨県甲府市住吉3-3-6055-230-2581
関西
吉田モータース
大阪市西淀川区姫里2-3-206-6474-8277
中国
野間自動車

〒737-0862
広島県呉市狩留賀町14-12
0823-31-3740

年式による違いについて教えて下さい。

ざっくり大きく分けると、デビューから1989年モデルまでの初期型、1990年から1992年モデルの中期型、1993年モデル以降の後期型に分類出来ると思います。

初期型はclassic900と同じ2リッターのB20Sエンジンを搭載するCCシリーズとCDシリーズがありましたが故障が多く、また今となってはかなりの年数が経過していることもあり、特別な理由が無い限りは手を出さない方が無難です。

中期型は従来の2リッターエンジンのストロークを伸ばして排気量を2.3リッターに増やしたB234エンジンがエンジンのバリエーションに追加され、CDシリーズに搭載されました。また1992年にはSAAB社が米GM傘下になって初めてのモデルCSシリーズがリリースされています。9000シリーズはこの時期以降この2.3リッターエンジンを搭載したモデルが主力となっていきます。中期型の2.3リッターエンジンは最高出力200psバージョンのみの設定で、熟成された後期型には無い荒々しいパワーを体感することが出来ます。

後期型にはタラデガの後を継ぐハイパフォーマンスモデルAeroシリーズ、上級バージョンのGriffinシリーズやOPEL製V6エンジンを採用したモデルの登場など、GM傘下になったことを反映してか精力的にラインアップの拡充を行なう為の様々なモデルが存在していました。またエンジンマネージメントシステムにSAAB独自のシステム「トリオニック」を採用したのがこの後期型からでした。

正式な年式やモデル名を知る方法はありますか?

車体番号より知る事が出来ます。この車体番号ですが、VIN(Vehicle Identification Numbers)コードと言って世界共通の規格に則って付番されるコードで、生産国、生産メーカー、生産年などの情報の組み合わせで形成されています。VINコードの仕様・ルールについて詳しくはVehicle Identification Numbersをご覧下さい。
また、SAAB社のVINコード体系は Turbo! Saab VIN Decode で知る事が出来ます。
一例として、1992年モデルのSAAB9000CS 2.3turbo-SのVINコードを解読してみましょう。

VINコード解読例


9000が掲載されている雑誌ってありますか?

国内で出版された雑誌に限ってですが、数はそう多く無いもののちゃんとあります。
まずは掲載された雑誌編です。
表紙 二玄社刊 NAVI 1989 8月号
イッキ討ち アルファ164対サーブ9000CD 全5ページ
同誌の比較テスト企画「イッキ討ち」でのフィーチャー。典型的な「乗り比べ」企画でお互いの特徴となる点を評価するというもの。 最後に勝敗をつけるのだが、軍配はアルファ164に!‥‥というか、正確にいうとこの企画で西武自動車より貸し出された9000CDのコンピュータが 一般の市販車と同一の物ではないという事で9000は反則負けを喰らってしまったのだ。文中には「〜コンピュータをいじったくらいで こんなにも速くなるのかという事実で〜」という記述があって非常に気になる。これはclassic900でいうところのレッドボックスに相当 するものなのだろうか?
表紙 二玄社刊 NAVI 1993 4月号
下野康史の気になる2台 バブルが去って、にわかにサーブが魅力的に見えてきた。 全5ページ
販売体制が西武自販からミツワに変わったのをきっかけに、もう一度classic900を見直してみようよという趣旨の記事。 フィーチャーされているのはclassic900と9000CDだがご想像通り9000はclassic900の引き立て役として扱われている。
表紙 二玄社刊 NAVI 1991 11月号
新生サーブの第一弾、9000CSに乗る 全2ページ
9000に新しく登場したCSシリーズの紹介記事。300km程の公道ドライブとサーキット走行でのインプレッションが詳細に綴られている。
表紙 二玄社刊 NAVI 1991 1月号
サーブ9000 2.3ターボで走るアウトバーン ターボで時代を乗り切れ 全4ページ
1991年モデルの9000CD2.3turboとタラデガのアウトバーンでの試乗記。1990年代を迎えるにあたり、SAAB社の技術の切り札ターボを中心としたテクノロジーの解説が詳しい。
表紙 世界文化社刊 Begin 1991年6月号
新ワールド・スタンダード誕生! 全6ページ
何と、こんな軟派雑誌にも取り上げられていたとは!と驚いたが中身は至極まともな車の解説。1991年モデルのタラデガの解説や 世界中で親しまれるスウェーデン製品の紹介など。専門誌と違ってニューヨークのヤッピー(懐かしい言葉だ)を絡めて説明しようと しているあたり書き手の苦労を感じさせる。
表紙 有朋社刊 MOTOR REVIEW 1989年4月号
特集SAABストーリー 全18ページ
全18ページというボリュームでSAABの歴史やエポックメイキングな車のレビュー等が掲載されている。取り上げられている車は 1966年型SonettIIプロトタイプ、1980年型96V4GL(自動車評論家川上完氏所有車)、1989年型9000CDの3台。 この内の1966年型SonettIIプロトタイプは昔、西武自動車販売の世田谷営業所の近くに長い間展示してあった個体である。
9000をレビューする際、先ずは否定する事から始めて詳細な部分のSAABらしさを見出して積み上げて行き最終的には辛うじて SAAB一族の一部である事を認めるというような定石があると思うのだが、この記事についてもその定石通りの内容であり、 そういう意味では読むに値するかどうかは疑問であるが、自動車史研究家として名高い五十嵐平達氏による「私とサーブ92」 というコラムは一見の価値あり。
表紙 ダイヤモンド社刊 CAR and DRIVER 1993年5月10日号
最新ヨーロピアン・ミドルに乗る! NEWサーブ9000 全3ページ
1993年モデルの解説と、インポーターのサーブミツワが主催した北海道での氷上テストドライブの参加記。
取材車はスカラベグリーンの9000CSE。1993年モデルから導入された新技術「トリオニック」についての説明が詳しい。
表紙 マガジンボックス刊 くるまにあ 2001年8月号
ズバリ50万円外車 SAAB9000CD2.3i マニアにササるサーブの上級モデル 全2ページ
店頭で50万円で買える中古外車特集。他に取り上げられているのは PEUGEOT405、FORD TAURUS、RENAULT TWINGO など、いかにも‥な車ばかり。
取材車は1992年モデルのCD2.3-16。巷で見かける激安中古外車を選ぶ際のポイントや心掛け等を詳細に綴っており、9000に関しては意外に乗りやすく、使いやすいという評価。
意外にというのは実際に触れる機会が少ないせいだろう。ちなみに記事での9000買いのポイントとして上げられた3点は
1.流通量が少なく、まずはすれ違うことのないモデル
2.ありそうでない独特のデザイン ネオ・エンスーに最適!
3.世界の良い物を採用するサーブ 壊れ知らずのクルマ
である。1番は大いに同感、2番は微妙 3番はちょっと違うような気が‥
表紙 小学館刊 サライ 1992年5月7日号
普通科車会学 サーブ9000CS 2.3turbo S 全4ページ
9000に新しく登場したCSシリーズの紹介記事。取材車はタラデガレッドのturbo-S。従来の9000よりボディ剛性が高まったという点を、 日本家屋の作りとなぞらえて語り進めて行くというサライらしい?視点で構成された記事。自動車専門誌では先ず無い切り口であるが、 車自体のこともしっかり言及しているというユニークな内容。
表紙 ネコ・パブリッシング刊 Car magazine 167号
天空から舞い降りた個性派、サーブのすべて 全13ページ
全13ページというボリュームでSAAB社の歴史や歴代の名車のレビュー等が詳細に綴られている。取り上げられている車は1967年モデルの96、 1973年モデルの95、1992年モデルの9000CS2.3turboの各車。9000の試乗記はノルウェーの一般道、氷上コースでの走行インプレッションで、 氷上コースを走行中にエリックカールソンがドライブする猛スピードの900Sに追い抜かれるあたりの描写が面白い。全体的に充実した内容だが、 同じネコパブリッシングが刊行している「ワールド・カー・ガイド17 サーブ」と内容的に結構かぶっていると思う。
手軽に勉強したい向きには是非お勧めしたい一冊。
表紙 二玄社刊 CAR GRAPHIC 305号(1986年8月号)
インターナショナルな味がする80年代のサーブ SAAB90000turbo16 全4ページ
1986年から日本で市販されたSAAB9000のCG誌での初レビュー記事。CG誌らしい緻密な描写と感性豊かなロードインプレッションで構成される 全4ページの記事で、最後はやはりというかなんと言うか9000に対して癖の無さが物足りないような感想で〆ている。またこれとは別に、カメラやリスト ウオッチの世界で著名な松山猛氏の愛車のSAAB99を氏と共に紹介する記事などもあり。
表紙 二玄社刊 CAR GRAPHIC 332号(1988年11月号)
ミドルクラスサルーンで能登半島へ SAAB9000CD/BMW 525i/MERCEDES BENZ 260E 全8ページ
1988年モデルの9000CDを軸としたヨーロピアンセダンとの比較テスト。比較相手はBMW 525i、MERCEDES BENZ 260Eの2台とどう考えても 9000は分が悪いのでは?と思われるが、高速路・ワインディングロードが中心のロードテストやユーティリティの比較ではドイツ製 サルーンに引けを取らない結果を出している。興味深いのはBMW、MERCEDES BENZの2車に対して9000を操縦感が強いと評している点である。
言い方を変えれば9000の方がよりドライバーズサルーンとしてのキャラクタが強いという事であろうか。
表紙 二玄社刊 CAR GRAPHIC 368号(1991年11月号)
マイナーである誇り SAAB9000CS 全4ページ
9000に新しく登場したCSシリーズの紹介記事。従来モデルから変更された点の解説、サーキットでの走行インプレッションなど。
表紙 二玄社刊 CAR GRAPHIC 371号(1992年2月号)
逢いたいときのあなたの味方 SAAB9000CS & VOLVO 960ESTATE 全6ページ
東京から青森までの約700kmの道のりをVOLVO960ESTATEと共に走破する内容。取材車は1992年モデルの9000CS 2.3turbo。
長距離を走破するのが楽である事や高速走行に向いた車のつくりであることを訴える内容となっていて読み応えがある。
表紙 二玄社刊 CAR GRAPHIC 390号(1993年9月号)
トリオニックの奏でるクリーンな調べ SAAB9000AERO/GRIFFIN 全4ページ
1994年モデルから新たにラインアップに加えられたAeroとGriffinの二車のロードインプレッション。
取材車はルマンブルーとブラックの2台の9000Aeroとルマンブルーの9000CSE、Griffinの4台で、2台のAeroは「ワールド・カー・ガイド17 サーブ」に登場するAeroと同一車両である。 内容は前年から採用されたエンジンマネージメントシステム「トリオニック」とロードインプレッションの二本立てなのだが、トリオニック車の排出するガスが特定の場合において 大気よりもCO/HC値が低くなるという試験結果を中心に綴られるシステムの詳細な説明がとても興味深い。

続いて、SAAB自体をテーマとした書籍の紹介です。SAABという会社について知りたい時、この二冊がきっとお役に立つ事でしょう。

表紙 株式会社ヤナセ発行 Sense of Saab(非売品)
ヤナセがSAAB車の販売3周年を迎えたのを記念して発行した「サーブの理想、価値のすべてを紹介する(同社社長のご挨拶より抜粋)」SAAB大百科とでもいうべき本。
歴史的に貴重な写真や著名人によるコメント、SAABオーナーのインタビューなど非常に充実した内容の一冊。SAABという会社のことを知りたいのならば先ずはこの本を手にとって見るべきだろう。「ワールド・カー・ガイド17 サーブ」以後の近年のSAABをフォローする一冊でもある。

表紙 ネコ・パブリッシング刊 ワールド・カー・ガイド17 サーブ
いわずと知れたSAAB社の解説本。自動車メーカーSAABの生い立ちから発展して行く様や各モデルの解説等全185ページ丸ごと一冊SAABの本。
内容についてあやふやな点もあるというが、ある一定ベースの知識を仕入れたい時に手元に一冊あると重宝する。但し発行されたのが1994年でそれ以降内容の改訂がされていないので今となっては非常に情報が古い。新刊の発行が期待されるところである。