縁の下の力持ち
SAAB9000 Surface Friction Tester
2001年9月22日・23日の両日を使って、岩手県は花巻空港で行なわれた「空の日記念・花巻空港一般公開」を見学してきた。
東京からは遠く500kmの北の彼方、目指すはSAAB9000がベースになっていると言われるSFTである。
SFTとはスウェーデンに本社を置く ASFT社が製造するSurfaceFrictionTester(サーフェースフリクションテスター)という自動車のことである。
この車両は世界中のあらゆる空港に配備されていて、降雪時などに滑走路の摩擦係数を測定する為の車両であり、航空機の安全な運行を支える重要な役割を担っている。我が国でも主要な空港に...と言いたいところなのだが、当日説明を伺った所では国内では5台位しか配備されていないそうで、まさに街中でたまーに見かけるSAAB9000同様、ここでも希少な存在なのかあと思わず溜息をついてしまう。ちなみにSFTには他に9-5Wagon,9-5Sedan,Ford Taurus,VW Sharanなどがラインナップされており、過去にはSAAB900,SAAB99もラインナップされていたようである。
メーカーより送っていただいたSFTのカタログ。A4サイズで表紙を含めて全4ページ。
で、このSFTの存在なのだが、以前からネット上で目撃談が寄せられていて、それを見るたび自分もこの目で是非×2!と思っていたのだが、ある日ついに、東北在住のNOBU氏が毎年行なわれる同イベントで詳細に観察することが出来た!とのことで、今回はNOBU氏のアレンジの元、岩手までひとっ走りしてきたという訳なのだ。
左:NOBU氏のVolvo240
右:ワタシの9000CS
実はSAAB900clubと@Nifty FICARN スウェーデン車会議室のダブルオフ?だったりする。
そもそもこのイベントは、空港を一般市民に開放して親しみを持ってもらおう、空港の目的と役割をより深く理解してもらおうというイベントであり、来場客が楽しめるようなアクロバット飛行や救助用ヘリによる災害救助のデモンストレーション、航空機の展示などのプログラムが用意されていた。その内の一つにバスに乗って空港敷地内1周&滑走路走行というプログラムがあって、このバスの後ろをずっとついて行くという形で、(一般客を乗せたバスが滑走路を走行するので、落下物等をチェックする為)9000SFTはイベントに参加していた。晴れのイベントの日にも関わらず、ここでも縁の下の力持ちという位置づけだ。
9000の毎度おなじみ、巨大なラゲッジルーム。
中央の大きな箱のようなものは、測定時に測定タイアの前方に水を噴射するための水のタンク。
右にある黒い小さな箱は、リレーボックス、あるいはタイアを上げ下げするための油圧の制御装置かと思われる。
室内に置かれたコントロールパネル。
灰皿とオーディオがある部分に4方向のカーソルキーを配したパネルが上手くインストールされている。
その下にあるのは連絡用の無線機。エアコンの右にハンドマイクがある。
上記のようにSFTは展示物ではないので、自由に見学という雰囲気ではなかったのだが、空港職員の方にお願いして、特別に見学させてもらうことが出来た。プログラムの合間の待機中故、長い時間見学することは出来なかったので前回NOBU氏がレポートしてくれた内容と今回伺った内容とを合わせて詳細なレポートとさせて頂こうかと思う。
・グレードは9000CSE。
・インパネはウッドパネルだった。
・車両価格は2,400万円。整備は近所のトヨタのディーラーで行なっており、SFT部分の整備は関東のSFT Japanが担当している。
・テスターの心臓部のコントロールラックは、オーディオ・灰皿がインストールされる部分に鎮座している。
・コントロールラックにあるスイッチを押すと,車輪が規定圧で接地し、スピードを60km/hで固定し、オートクルーズ状態で2000m走行する。
・車輪はちょうど一輪車サイズで普段は着地していない。
・リアのラゲッジルームに巨大な水タンクが設置されている。
・ひとつの滑走路を往復し,平均値を取り,それが管制塔へ送られる。
・雪が降る空港には,ほとんど置いてあるとのこと。
・スタッドレス(MZ-01)を装着していたが、かなり使い込んであるように見えた。降雪シーズンを前に、これから交換か?
・走行距離はおよそ45,000km。
・見た感じ、リアの車高が若干高いようだった。これは、リア底部に車輪ユニットを格納している為だろう。
・導入にあたっては、やはり雪国スウェーデンで開発され、世界中で稼動の実績があるということが決め手だったそうである。
結局のところ、SFTのベースとなっていたのは紛れも無い9000CSそのものだった。それも普段自分が使用している車両と同じだということ、実務にあたっている所をを見たわけではないけれど航空機の安全な運行を地上で支えているということがわかったことで、なんだかちょっぴり誇らしい気分になってしまった。
ところで、今回の東京−岩手の往復だが、つい先日ちょっとした整備(「SAAB9000整備記録〜夏の終わり」参照)を行ってから初のロングドライブであった。
まったくもって調子が良いもんだから、道中、ついつい調子にのって飛ばしてしまった。
さぞかし燃費のほうは・・・と思っていたのだが、復路の燃費がなんと、過去最高の10km/l台を記録してしまった!あんだけ踏んで踏んで踏みつづけて踏みまくって、でも燃費10km/l台!!とっても嬉しい。思うに、高回転維持の運転でもシフトチェンジをあまり行わない運転を心がけると燃料の消費が少なくてすむのではないだろうか。
そして、東京に帰ってきて、累積走行距離がついに90,000kmを突破した。